大翔に告白されたあの日以来、大翔から連絡が来ることはなかった。
あたしからも連絡することはなく、蓮との間で大翔の話をすることもなかった。
そしていつの間にか季節は秋へと変わった。
「澪ー、呼び出しー」
「え!また?」
「これで呼び出されんの何回目?もうギネス載れるんじゃないの?」
ある日の昼休み、あたしは5人に呼び出された。
もちろん告白とか、そんな青春的な良いもんじゃない。
「赤点とったらもう知らねぇからな?この前みたいに甘くはねぇぞ」
「赤点とりたくてとってるんじゃないし!てか、先生がテスト簡単にしてよ」
「そんなことしたら他のみんなもテストの点高くなんだぞ?」
「そ、そっか。じゃあ、答え教えてよ!誰にも言わないから!お願い!」
「……お前はなぁ、ちょっとは自分で勉強しようとは思わないのか」
呼び出しの正体は、
テストが1週間後と迫った今、それぞれの教科の先生があたしの成績が危ないために話をしに来たってわけだ。
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