あたしの返事も聞かずに蓮は抱きしめた。
もうさっきまでの冷たいだけの蓮はいなくて、いつもみたいに温かかった。
だから、その気持ちに答えるように――…あたしも蓮の首へ腕を回して抱きしめ返した。
「これからは、あんま妬かせんなよ?」
「う、うん。てか、あたしのせい?!」
「そうだろ。澪が変に隙見せるからいけねぇんだよ」
「う……」
妬いてくれるのは嬉しい。
だって、あたしのことを好きだからこそ………妬いてくれてるってことでしょ?
それが嬉しくないわけがない。
「続き、いい?」
突然の蓮の言葉に一瞬目が点になったけど、すぐにその言葉の意味を理解できた。
つまり……さっきの続きをしたいってことで。
あたしは迷うことなく………ゆっくりと頷いた。
「ヤバいかも」
「ヤバいって?」
「今夜は寝かせないから」
「……へ……?」
蓮のその言葉の通り、本当にその夜は寝かせてもらえなかった。
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