マジでムカつく!
ひっぱたいてやりたい衝動を抑えながら、あたしはこぶしを強く握り締めた。
そんなことを知らない蓮と大雅は、まだまだ話を続けようとする。
「じゃあ、お前が知らねぇだけなんじゃねぇの?」
「何が?」
「澪ちゃんの良いところ」
遊び人はなぜかあたしをフォローしてくれてる。
一言“そうなんだ”で終わらせればいいのに……。
モテるんだったら女の子に飢えてはいないだろうし、
そこまであたしに執着する意味が分からない。
………だからって、褒められることに対して嫌な気はしない。
そりゃあ……嬉しい。
でも、きっとこの男が女の子を褒めたりするのは日常で当たり前のこと。
特別なことなんかじゃないし、あたしが変にドキドキしたらこの男の思惑通りだ。
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