ぞっこん☆BABY〜チャラ男のアイツ〜





虚しさと悲しさが涙になって溢れ出た。



すると、胸にあった手は退かされ………蓮は溢れる涙をぬぐってくれた。



そして頬を優しく撫でられた。




「……悪い」




蓮は小さく呟いた。




「あいつに抱きしめられてんの見たらムカついた」


「……」


「しかも澪泣いてるから頭混乱して……つい暴走した」


「…うん」


「マジで、かっこわりぃな」




自嘲気味に話す蓮の目には………もうさっきまでの冷たさはなくて、


いつもの蓮の目だった。



そんな蓮を見てて………つい抱きしめたくなり、蓮の首に腕を回した。




「あたしも、ごめんなさい」


「……」


「でも、ちゃんと断ったから。あたしは蓮だけが好きだし、蓮の彼女だし……」


「……なぁ」


「なに?」


「抱きしめていい?」




てっきり『誘ってんの?』って言われるかと思ってたから、まさかの発言で返事し忘れた。




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