「あたしも大翔のこと押し返そうとしたけど、」
「本気でやってねぇからじゃねぇの」
「ち、違うし!本気で押し返したけどビクともしなくて、」
「ふーん」
話を聞いてほしいのに、蓮には何を言っても言い訳にしか聞こえないらしい。
冷たい返事しか返ってこない。
……と思ったら、
蓮が……一瞬ニヤッと口角を上げた。
「じゃあ、今は本気で嫌がってねぇってこと?」
「え?」
あっさりと蓮は手を振りほどき、その手をあたしの頭上に持ってくると、反対の手で掴んで固定した。
ヤバい――…と思った時にはもう遅くて、
反対の手も一緒に掴まれ固定された。
見事にあたしは身動きがとれなくなった。
「本気で嫌なら本気で拒むんだろ?全然力入ってねぇじゃん」
「…っ」
「俺に何されてもいいんだ?」
「そうじゃな………んっ」
反論する暇を蓮は与えてくれない。
突然重なった唇。
いつもの優しいキスとは違って、荒くて激しくて………何度も角度を変えられた。
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