「ちょっ……待ってっ……」
思わず、その腕を掴んで阻止した。
だ、だって、いきなり何でって感じだし。
しかも蓮の表情が冷たくていつもと違うから……怖い。
やっとあたしの目を見てくれたけど、その目はやっぱり冷たいまま。
何を考えてるのか………まったく分かんない。
「そういうことかよ」
「何……が?」
「あいつには触れられてもいいのに、俺には触れられたくねぇんだ?」
かと思ったら、大翔に対して怒ってるみたいで………。
あの時の自分を………さっき以上に悔やんだ。
「あれは、違くて…」
「じゃあ、この手なんだよ」
「え?」
「触られたくねぇから止めてんだろ?」
別に触られるのが嫌なわけじゃない。
今このまま蓮の行動を許したら、ダメなような気がするだけで……。
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