バイクを降りると、蓮はバイクを押しながら奥へと進んでいった。
ついていって、たどり着いた先は―――……小さなアパート。
蓮は近くの空き地にバイクを停め、ドアの鍵を開けた。
「蓮の……家?」
「あぁ」
蓮はまだ怒ってるようで、あたしを1度も見てくれない。
そのあと………あたしは初めて蓮の家へ入った。
中はお世辞にもキレイとは言えなくて、狭く古びた感じだった。
……そういえば、蓮の家のことって聞いたことなかった。
あたし何も知らない……。
何人家族なのかとか、兄弟はいるのかとか。
分かってるつもりだったけど………知らないことがまだあったんだ。
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