大翔ただ目の前にいる蓮を真っ直ぐ見ていた。
一方、蓮も大翔を睨んでいて、真ん中に挟まれてるあたしは2人の眼中にないようだった。
最悪なところを……見られた。
誤解したかもしれない。
今さら、大翔を押し返さなかった自分に後悔した。
突然、あたしは蓮に腕を引き寄せられて――…目でバイクに“乗れ”と言われた。
大人しく蓮に渡されたヘルメットを被り、後ろに乗った。
大翔は何かを言うわけでもなく、ずっと黙っていた。
走り出してから、信号で止まっても蓮は終止無言だった。
あたしから何を言えばいいのかも分かんなくて、あたしも何も話さなかった。
あたしは、このままあたしの家に行くもんだと思ってた。
だけど、着いた先はまさかの知らない家。
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