気づいたときには………大翔に抱きしめられていた。
……その手を振りほどくことは簡単にできた。
でもそうしなかったのは………今だけでも大翔の気持ちを受け止めたかったからかもしれない。
ドキドキはしてるけど、好きだからじゃない。
大翔がいつもと違って、男らしいことを言ってくれたからだと思う。
その大翔が好きだと言った。
簡単に拒めるほど頭の回転を早くできない。
「アイツは止めろ」
「……」
「そんで、俺にして」
頭がボーッとする。
あたしの携帯のバイブレーションで電話が来たと知って、少し目が覚めた。
それが蓮からだと分かったあたしは携帯を取ろうと………大翔から離れようとした。
けど、大翔は『蓮だろ?』と言って離してはくれなかった。
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