それから少しだけ蓮たちはあたしの理解できない話をして、ヤンキーさんたちはその場を去った。
去り際、ヤンキーさんはあたしに『じゃあね、澪ちゃーん』と手を振ってきた。
手はさすがに振れないから頭を下げたあたしが顔を上げると、
隣には不機嫌な蓮がいた。
え……?
何で不機嫌なの?
蓮がこの短時間で何で怒ってるのか分からない。
「…じゃ、俺先に行ってるな」
蓮の不機嫌な表情を見て何かを察したらしい拓斗は、逃げるかのようにその場からいなくなった。
何で置いてくのよ!
拓斗の卑怯者!
後で覚えておけよ!
隣で不機嫌オーラをプンプンさせてる蓮は、無言のままで動こうとしない。
何この気まずい空気。
あたしどうしたらいいのーっ!!
………なんて、内心は焦ってかなり忙しいあたし。
「ちょっ…」
すると、蓮は突然そんなあたしの腕を掴んで体育館の壁へと引っ張り………あたしは蓮と壁の間に挟まれた。
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