え?
いまいち状況が飲み込めない。
そんな混乱するあたしに、蓮はとんでもない真実を教えてくれた。
「えぇ!知り合いなの!?」
「まぁな。中学ん時のよくしてもらってた先輩」
今さっき聞いた衝撃の事実を、あたしは受け入れられないでいる。
だ、だって………
まさか体格がいいヤンキーさんが、蓮と拓斗の知り合いの先輩だなんて!
しかもよくしてもらってたなんて!
「ごめんなさい!」
「平気平気。まさか蓮の彼女だったとはな」
あんな怖かったヤンキーさんも、蓮の知り合いだと分かると全然怖くは見えないから不思議だ。
すっかり勘違いしておお恥をかいたあたしは、あまりにも恥ずかしくて蓮の後ろに隠れた。
「名前は?」
ヤンキーさんのその質問に答えようとすると――…
蓮が『澪です』と答えた。
その後もあたしへの質問に、全部蓮が答えた。
むしろ、あたしが答えようと前に出ようとすると手で後ろへ追いやられた。
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