「あ?誰だ?」
頭を下げるあたしは、目の前にいるヤンキーさんがどんな表情をしてるのか分かんない。
いきなり出てきて頭を下げて謝るあたしを優しい表情で見てないことは分かる。
けどこの状態から動けない。
だって殴られんの怖いし!
睨まれただけで死んじゃいそうだし!
指1本で倒されちゃいそうだし!
………何であたし1人で来ちゃったんだろ。
そもそも晶乃も来てくれればよかったんじゃないのか?
啓介とか大雅とか諒とか呼べばよかったんじゃないのか?
………って、後戻りできない状況になってから気づくパターンね。
自分から目の前に現れといて、これからどうなっちゃうんだろって内心ハラハラなあたし。
そんなあたしの耳に聞こえてくるのは………小さな堪えるような笑い声。
その笑い声は後ろから聞こえてくる。
後ろにいるのはもちろん蓮と拓斗なはずで………勇気を出して振り返ると―――……
そこには笑いを堪えてる蓮と拓斗がいた。
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