「ちょっ、あれ蓮と拓斗じゃないの!?」
あたしと同じく気づいた晶乃は、あたしの肩をすごい勢いで揺らしてきた。
えっ!え、え?
あれって絡まれてる?
危ない状況だよね?
あたしから見ても、あの体格のいいヤンキーさんは蓮を睨んでるし……。
でも蓮ならケンカをやり始めかねない!
だとしても絶対勝てない!
体格のいいヤンキーさんの後ろには数人の仲間がいるんだから!
どうすればいい?
止めた方がいい?
放っておいた方がいい?
………いや。
これは止めに行かなきゃでしょ!
そう思ったら、蓮と拓斗は体格のいいヤンキーさんの左右の腕がそれぞれ肩に置かれ、どこかへ連れていかれてしまった。
「連れてかれちゃったよ!澪どうすんの!?」
「ど、どうするも何も」
「このままじゃマジで蓮と拓斗やられちゃうよ!」
あたしは覚悟を決めた。
「助けに行ってくる!晶乃はここで待ってて!」
「ラジャ!ぶっ飛ばしてやれー!」
ケンカを1度もしたことがないバカなあたしは、蓮と拓斗を助けだしに向かった。
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