あたしは嘘の噂を修正するのを諦めた。
いや、諦めたと言うより、正直なところそれどころではなかった。
なぜなら、あたしは夏休み明けの学校で提出しなきゃいけない“宿題”という名の難題を処理していなかったんだから。
あたしは1度も夏休みの間に宿題を開いたことはなかった。
しかもやっていないことに気付いたのは、夏休み最終日。
もちろんそれは晶乃も蓮たちも一緒で、あたしたちは夏休みの最終日……
気付いた夕方の6時から翌日の明け方まで寝ずに宿題をやり、無事に終わらせた。
少ない睡眠時間にも関わらず、あたしと晶乃は頑張って起きて、たまり場で雑魚寝してる蓮たちを起こした。
なかなか起きようとしない蓮たちを無理矢理なんとか起こし支度させると、初めて一緒に家を出た。
「ねむ」
「え、事故んないでよ?」
「悪い」
「え?」
「事故ったら悪い」
「え、ちょ、待っ…」
普段バイクで学校まで行ってる蓮たちに合わせ、あたしは蓮の後ろに乗って行くことになった。
だけど低血圧らしい蓮は、いかにも眠そうな顔をしてて………真顔でそんなこと言うから本気であたしはハラハラしてた。
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