お姉ちゃんはめんどくさそうにしながらも、『さっさと行くよ』と、あたしよりも先に部屋を出た。
あたしとお姉ちゃんは急ぎ足で蓮たちがいる公園へ向かった。
するとそこには、蓮と朔の2人でも勝てないくらいたくさんのヤンキーが―――……いるはずもなく。
「ねぇ」
「……」
「蓮と朔じゃ無理なくらい多いって言ってなかった?」
「そう……だっけ?」
「そうだっけじゃねぇよ?全然多くないじゃん!つーか3人って。逆に少ねぇわ!」
公園には………蓮と朔とヤンキー3人がいて、どう見ても“多く”はなかった。
お姉ちゃんは当然眉間にシワを寄せ、あたしを睨んだ。
だ、だって……。
しょうがないじゃん!
ケンカを止められるのはお姉ちゃんくらいしかいないし。
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