「でもその噂かなり有名だぞ」
「マジ？それって、あたしが美女でケンカ強いって有名ってこと？」
「だろうな。俺も澪と知り合うまでそう思ってたし」
「最悪だー」
って、蓮もその噂知ってたんかーい。
あ、そういえば前に“ウワサの双子”で有名だから知ってた、みたいなこと言われた気がする。
――…じゃなくて！
「そんな噂いったい誰が流したの？何のために流したの？」
「知らねぇよ。あながち嘘でもねぇんだから別にいいじゃん」
蓮はそう言って、あたしの頬を片手で摘まんで引っ張った。
どういうこと？と思ったあたしに、
「だって、澪可愛いし」
「っ！」
「ケンカ強そうだし」
「……ケ、ンカ強そうって……それ事実じゃなくてイメージじゃん……」
“可愛い”って言葉に弱いあたしは………恥ずかしさを紛らわすためにわざと強気に言い返した。
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