「そんなとこに隠れてねぇで、とっととこっちに顔出せよ!」
ギャハハと下品に笑うヤンキー3人組は、朔を完全に挑発していた。
あーあ、やっちゃった。
朔を挑発すると危ないスイッチが入っちゃうことを、あたしは知ってる。
「何でてめぇがいんだよ」
「可愛い片割れの澪ちゃんに連れてきてもらったんだよ」
ヤンキーAのその言葉に、朔は振り返ってあたしをギロッと睨んだ。
「澪があいつら連れてきたの?」
「まぁ…。で、でも!連れてこなきゃ殴るって言うから!」
蓮にも責められそうだったから、嘘でもいいやと思いギリギリの言い訳をした。
その言い訳に蓮は『ならしょうがねぇな』と、なんとか納得してくれた。
「ケガはねぇの?何もされてねぇ?」
「うん。この通り大丈夫」
「つーか、澪使ってまで朔に会いに来るとか、あいつらしつけぇな」
「え、蓮もあの人たち知ってるの?」
「知ってるも何も、元は俺のケンカ相手だし」
.



