すぐに距離を縮めた蓮は、あたしに深いキスをしてきた。



着ていた服はあっという間に脱がされ、蓮も知らぬ間に上半身裸になった。



もちろん下着も手際よく取られ、恥ずかしがる間もなく―――……事は進んだ。



初めてだからどうしていいか分かんなかったはずなのに、上手く蓮に流され………何も考えずに全ては終わっていた。




自分の声とは思えない甘い声が出たのは覚えてる。



あたしの体温と蓮の体温が交わった瞬間………痛みが走ったのも覚えてる。



声にならないほどの痛み、と表現を使うけど、



『いっ…たーい!』とムードも何もなしに、あたしは痛みに耐えきれず叫んだ。



あとのことは………途中のことは、ほとんど覚えてない。




気が付けば事は終わっていて、あたしは蓮の腕の中にすっぽりと体を埋めていた。



蓮の腕枕に頭を乗せ、互いの体は密着していた。



―――……覚えてないはずなのに、裸の蓮が横にいるだけで顔が赤くなるのが分かる。



鮮明に、色っぽい蓮の表情だけは思い出せるからかもしれない。




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