「今なら止められる」
細身のくせにヒョイッと軽くあたしをベッドに持ち上げた蓮は、
次にあたしを押し倒して、そう言った。
「大丈夫……」
「大丈夫なわりには、目ぇ合わせねぇじゃん」
「き、緊張だよっ」
もう覚悟はできてる。
ちょっともビビってないって言ったら嘘になるけど、そこまでビビってるわけじゃない。
「緊張さえしてなきゃ、もうどーんと来いって感じ」
ほらね。
どや顔しながら、こんなこと言えるくらい余裕ありまくりだし。
「すげぇな。澪にそんな度胸あるなんて知らなかった」
「そう?あたしって言ったら度胸の塊じゃん」
「へぇ」
「何事にも本気で受けてたつのが、あたしっていうか…」
「じゃあ、」
「え?」
あたしの言葉を遮って、ニヤッと意地悪そうに蓮は笑って―――……。
不覚にも、あたしはそのかっこよすぎる顔に見とれてしまって。
「もう手加減しねぇ。俺も本気でいくから」
その魅惑な言葉にさえも………胸は高鳴った。
.



