「ずいぶん上から目線じゃん」
「そうだよ。だって蓮があたしにベタ惚れだから」
いつもの蓮に戻ったから、上から目線のあたしに反撃してくるものだと思ってた。
だけど、蓮は『そうだな』と言うだけ。
「え、え?」
「何だよ。マジでベタ惚れなんだから嘘つく必要ねぇだろ?」
「そ、れはそうだけど……」
「つーかさぁ」
その甘く低い声と、蓮の熱い瞳があたしをしっかり捕らえて離さない。
「なに…?」
ベッドに寄りかかり床に座るあたし。
その斜め左に壁に寄りかかり床に座る蓮。
近くも遠くもない………この距離。
心の距離は?
近い……気がしなくもない、そんな距離。
「今から襲っていい?」
「……」
蓮はあたしにベタ惚れで、あたしも誰かに何言われても蓮だけを信じれるくらい蓮を好きで。
そのくらい心の距離は近くて。
―――……だけど。
はぁあぁあぁあ?!!
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