だからあたしは――…
余計に蓮がさっきの言葉が染みた。
悪く言われたのは蓮なのに。
自分のことは置いといて、あたしのために怒ってくれた。
「ねぇ」
「なに」
アイスを食べ終わっても機嫌が直ってないことが、その返しから分かった。
「あたしは信じてるから。何言われても蓮だけを信じてるから」
「……」
「だって……蓮はあたしにベタ惚れらしいし」
「……」
「困るくらい、あたしにベタ惚れらしいし」
「……」
「あたし以外の女には、さらっさら興味ねぇらしいから」
あたしが口を開くうちに、蓮の表情が柔らかくなっていく気がして、
強張ったあたしの声にも少し余裕が出てきた。
「そんなにあたしのことが好きだったら、さすがに他に女遊びはしないかなって思うんだよね」
だから、あたしのその余裕な発言に、蓮は口角を上げて笑みを作った気もした。
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