どこから話を聞いてたのか分からないけど、
蓮の表情は穏やかでは――…ない。
「自分でも困るくらい澪にベタ惚れなんだよ」
「……」
「他の女にはもう、さらっさら興味ねぇし」
「……」
「澪泣かすようなことしたくねぇからさ」
「……」
明らかに怒ってる蓮に、同級生2人は反論出来ずに唖然としてる。
きっと蓮は最初から聞こえてたに違いない。
―――……あたしの腕を、蓮が掴んだ。
「澪の可愛さ知らねぇやつが、勝手なこと言ってんじゃねぇよ」
「……わ、悪い」
それだけ言うと、蓮はあたしをそのまま引っ張りコンビニを出た。
イライラしてるのか、コンビニから家までは終止無言だった。
部屋に入ってアイスを食べていても会話は一切ない。
そりゃそうだ。
蓮にとっては見ず知らずの人に、ああやって嫌なこと言われたらいい気はしない。
あたしだってイライラしちゃう。
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