「何でも何も逆に知らねぇやつのがいねぇだろ」
「そうなの?」
「そうだよ。女とケンカ好きで超有名じゃん、なぁ?」
「お前マジで付き合ってんの?遊ばれてるだけじゃねぇの?」
けど、蓮はあたしが思う以上に地元では有名人らしかった。
「ケンカ好きはよく知らないけど女遊びはもうしてないし、今はあたしと付き合ってるから」
「でもあの竹中蓮だろ?1人の女なんかで満足しなそうだけどな」
「ちゃんと調べた方がいいんじゃねぇの?」
同級生2人が言うことも分からなくはないけど、確かに蓮はあたしだけを見てくれてる。
それに、蓮を噂でしか知らない同級生たちに、そこまで言われる筋合いはない。
心配してくれるのは嬉しいけど、これはあたしと蓮2人の問題だから……。
あたしが信じてれば―――……いい。
「友達思いで優しいなぁ?けど、心配はいらねぇから」
買い終わった蓮が、アイス売り場にいるあたしたちの元に来ていた。
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