「あれ?何固まってんの?もしかして、キスされるって思った?」
さらにバカにした顔をして聞いてくる。
「そっ…そんなこと思ってないから!ていうか、二卵性だから朔とは最初からそんなに似てなかったし」
「へぇ。でも、朔もずば抜けてかっこいいけど、澪ちゃんもずば抜けて可愛いよね」
「…っ!」
「お世辞とかじゃねぇから。俺お世辞言えねぇし」
………この男はいったい何がしたいんだろう。
どうしてこんなにも、あたしを悩ませるんだろう。
いったいあたしはどうしたらいいんだろう。
けど、この男は絶対あたしをからかってるに違いない。
もう、そうとしか思えない。
しゃべり方や接し方からして、女の子には慣れているようだし、やっぱり危険人物。
あたしの……1番嫌いなタイプ。
だけど、正直に言うと。
顔が近づいたときに、整った顔や匂いのせいで、キスしたくなりそうだった。
あの瞳に吸い込まれそうになったのも事実。
3秒でキスさせるなんて嘘だと思ってたけど………本当にいるのかもって思った。
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