「その今持ってるブラジャーを返してって言ってんのっ」
「あー、これ?やだ」
「や、やだ?!」
返してくれればそれで済むのに、蓮はムカつくくらい楽しそうな笑顔をあたしに向けて、だだっ子みたいなことを言い出した。
……もう、こうなったら奪い取るしかない。
ブラジャーを奪い取ろうとして手を伸ばしたものの………
蓮がブラジャーを持った手を遠くに伸ばしたから、
「グフッ」
蓮を通り越して、思い切りベッドへとダイブした。
変な声を出したあたしを笑う声が後ろから聞こえてきて、
それにカッチーンと来た。
「返せバカ!!!」
「うぉっ」
笑ってる蓮の片手にまだあるブラジャーにまた手を伸ばすも、
蓮が横へ避けたから奪い取ることはできなかった。
こんっ……のっ……!
負けず嫌いなあたしは、それから何度もしつこく蓮からブラジャーを奪い取ろうとしたけど、
結局全部避けられて、取れることはなかった。
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