たとえ女の子でも、蓮にとっては友達なわけだし。
そんな複雑な家庭事情を持つ女の子を、助けてあげられるのが蓮なわけだし。
確かに他の女の子と親密になられるのは良くは思わないけど、
元々チャラ男だった蓮が、今こうしてあたしのために弁解しに来てくれてるだけで嬉しく思う。
だから――…
「どうしたらいいか分かんねぇんだよ」
切なそうな声出してそんなことを言う蓮が………あたしらしくないけど、愛しく思える。
「マジで澪だけが好きだし、これから先も大事にしてぇって思う」
「……」
「でも、どうしたら傷付かねぇのかとか分かんねぇんだよ」
「……」
「澪と付き合うまではたくさんの女と遊んでたくせに、本気の付き合いしてねぇから、結局肝心なこと何も分かんねぇんだよな」
「…うん」
「言い訳にしか聞こえねぇだろうけど、今回も俺が“信じて”って言えば信じてくれるんだと思ってた」
「…うん」
「女心は分かってると思ってたけど、澪の気持ち分かってねぇと意味ねぇんだよな」
蓮らしくない下向きな言葉ばかりが蓮の口から出てくる。
あぁ……そうか。
あたしは今日、また新たに蓮の知らないところが今分かった。
元チャラ男の蓮は―――……実はすごく恋に不器用な人なんだ、と。
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