話してる内容が分かんないだけに、あたしはここにいて話を聞いてていいのか分かんなくなった。
それと同時に、蓮があたしに視線を移してきて……
「少し2人で話してぇから…」
「いいよ。あたし家の中にいる」
今はあたしと蓮が付き合ってるからとか関係なくて、あたしも蓮と麻奈美が2人で話し合った方がいいと思ったから。
蓮からは言いにくいだろうし、あたしから言ってあげた。
完全に信じてるわけでも、許したわけでもないけど、蓮の真剣な表情を見たら……
ちゃんと向き合わなきゃ、って思えた。
あたしが2人に背を向けると、後ろから蓮の声が聞こえた。
「すぐ終わるから。今度は引きこもらねぇで待ってろよ」
その言葉のおかげで、さっき家を出てきた時の気持ちより、モヤモヤが減った状態で家に入ることができた。
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