ぞっこん☆BABY〜チャラ男のアイツ〜





蓮が来る前までは、あたしが後退りするほど勢いがあったのに、


蓮が来た途端、麻奈美は静かになった。



それに比べて蓮は……。




「つーか、俺もう麻奈美が知ってるようなやつじゃねぇから」


「……」


「澪以外の女に興味ねぇし、他の女と関わるつもりもねぇから」




冷たくそういい放つ。



それなのに、あたしはこんな状況でも蓮のその言葉に胸が高鳴り、


蓮の言葉で自分の気持ちが左右されることが悔しかった。



すれ違っていても、
ムカついていても、
信じれなくなっていても、



やっぱりこうして蓮の言葉を聞くだけで、蓮に会うだけでホッとしてしまう。



全てのわだかまりがなくなったわけではないけど、涙も自然と出なくなっていた。



白馬に乗った王子様が迎えに来るとか――…あたしはそんなこと言う柄じゃなかったけど。



今は素直にそう思う。



白馬に乗った王子様が助けに来てくれたんだ、と。




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