ぞっこん☆BABY〜チャラ男のアイツ〜





自分でも訳が分かんなくて、どうしたらいいのか分かんなかった。



そんなあたしの思いも知らない涙は、溢れるように次から次へと出てくる。



バレないように下を向くと、誰かが近付いてくるような気配がして……。



ふと顔を上げると、そこには麻奈美が……いた。




なに?今度は何なの?

漫画でよくあるようなビンタでもしにきたの?



泣いてるくせに、無駄に強気なとこだけはまだ残ってた。




「顔は大して可愛くないくせに、よく蓮の彼女でいられんよねぇ?」


「……」


「その度胸だけは認めてあげる。けどマジで別れないと、あたし何するか分かんないから」



あたしが泣いてることには気づいてないらしく、それでもまじまじと顔を見られた。



可愛くないとか知ってるし。

言われなくても分かってるし。

いちいちうるさいし。



あたしが、あんだけかっこいい蓮に似合わないことくらい十分分かってるし………。




そう強がってても、そろそろ心の中はヤバかった。


さすがにこの場から逃げたかった。



ちょうど、そんなときだった――…。




.