そんなバカなあたしを相手にした麻奈美は………もうそれから大変だった。
最初からあたしへの“嫌悪感”は漂ってたけど、さらに“それ”は増した。
『てめぇ、』から始まり、今度こそ殴られんじゃないかと思った。
「ムカつくんだよ。蓮の中の特別な女はあたしなんだよ」
「……」
「それは今までずっと変わりなかったし、今だって変わんない」
暗くても………分かる。
麻奈美って人の目がしっかりあたしだけを見てることを。
だから、負けずとあたしも麻奈美って人の目を真っ直ぐ見ていた。
「知ってるでしょ?昨日は蓮の家に泊まったの。しかも蓮の部屋に」
「……」
「一晩中一緒にいて、すごく蓮は優しかった………って、あ、言っちゃった。そういえばあなた彼女なのか」
「……」
「蓮ってね?エッチするとき必ず名前呼ぶの。それですごく愛されてるって感じるの」
「……」
「あぁ、今はあたしだけを愛してくれてるんだなって」
その言葉を聞いたときには―――……視界が曇り始めていた。
あれ……なんでだろ。
さっきまで全然何言われても平気だったのに………急に涙が出てきた。
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