「蓮って、まだいる?」
「ううん。澪の部屋行って戻ってきてからは、すぐに帰っちゃったよ」
「そっか……」
帰ったってことは、自分の家に帰ったってことだよね?
じゃあ今頃あの麻奈美って子と………
って、そんなこと考えるの止めよ。
考えるだけ無駄だし。
「あたしとか啓介たちが泊まらせる理由聞いても、何も言ってくれなかった」
「聞いたの?」
「そりゃあ聞くよっ。大事な澪の彼氏だもん。澪傷つけたら許さないし」
晶乃のその言葉に、つい嬉しくて頬の筋肉が緩んだ。
「ちょ、あたしが真剣に話してんのに何で笑ってんのー」
「ごめんごめん。笑ってんじゃなくてニヤけてんの」
晶乃は“え?”って顔をする。
「晶乃が恥ずかしいこと言うから!晶乃のせいだからね」
「え、あたしっ?!」
「そうだし。晶乃以外にいないし」
「えー何でー?……あ!大事な澪ってとこでしょ!絶対そうでしょ!」
………そんなこんなで、夜中まで蓮の話はせずに晶乃とはずっとふざけてた。
そしたら、いつの間にか翌日の5時になってた。
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