ははっ……泣いてるんだ。
自分が泣いてることに、なぜか笑えてくる。
今までの人生の中で泣いたことはあまりない。
朔が近くにいたから、何度も言ってる通り男のように育ってきた。
泣くのは恥ずかしいって思ってたし、何より泣いたら負けてる気がして、
泣きたくても泣かないようにしてきた。
それからは我慢しなくても泣きたくなるときはなかった。
それなのに………今は涙が止まらない。
ほんと情けない。
何であたし泣いてんの?
何で………蓮ごときに、こんなに苦しくなってんのよ。
胸に太い1本の矢がグサッと刺さったような感覚。
だって、普通に考えて泊まらせないって思うに決まってるじゃん。
期待したあたしがいけないの?
チャラ男は卒業したって思ってたあたしがバカなの?
悔しい。
悔しすぎる。
蓮をいつの間にかこんなに好きになってて………悔しい。
さっきの言葉を思い出して胸をすごく締め付けられる。
そして……思い知らされる。
こんなに蓮が好きなんだと。
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