『澪……っ!』と、蓮が呼ぶ声がした………気がした。



あたしは………気が付けば走り出していた。



はっきりとは覚えてない。



たまり場にいたみんながどんな表情をしてたのかは分かんない。



ただ晶乃の『えっ、澪?!』って驚く声だけは聞こえた。



すぐに自分の部屋に入り、鍵を閉めた。



鍵を閉め終わってから、鍵閉めたのなんかいつぶりだろ……とか、どうでもいいことが浮かんだ。



それくらい………混乱してた。



何も考えられない状態ってこういうことをいうのか、………なんて、呑気に感心もしてた。



すると、なんだか次第に視界がボヤけてきて。



あれ……なんだろ。



全身鏡を見ると、あたしは知らないうちに………涙を流し泣いていた。




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