蓮はバイクを降りて、ハンドルにヘルメットをかけた。




「迎えに来るなんて珍しいじゃん」




そして、あたしの気持ちも知らないでそんなことを言う。




「そんなに俺に会いたかった?」




さらには、自信ありげ。




会いたかったよ。

そりゃ会いたかった。



……不安だった。



いつまでもこうやってバカップルみたいに言い合っていたいけど、心のモヤモヤが気になるの。



不安なままは嫌だ。



どうせなら、真実を知ってから落ち込むなり泣くなりしたい――…。




蓮が『照れてんの?』と肩を組んできたけど、あたしは『あのね、聞きたいことがあるの』と返した。



蓮は何を聞かれるのか分かったのか、すぐに真剣な表情になった。



………話を聞くなら、今だと思った。




「麻奈美って人と……いたの?」




“麻奈美”って言葉に反応して顔色が変わった気がした。




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