ぞっこん☆BABY〜チャラ男のアイツ〜





ブォンブォンと、さっきのようにバイクが近付いてくる音が聞こえた。




「澪……?」


「ん?」


「だい…じょうぶ?」




さっきまで威勢よかったあたしが急に大人しくなったからか、晶乃が心配そうな顔で覗いてきた。




「大丈夫だよ。たぶん今の音、蓮だろうから行ってくるね」


「う、うん」




あたしは外に向かった。



すると、そこにはまだバイクに乗ったままの蓮がいた。



ヘルメットを被っているからか、あたしがいることには気づいていないようだった。




「わっ!」


「わっ!……って、澪かよ」


「澪かよとは何よー」


「なんだよ、拗ねんなよ」




蓮はハニかんで、あたしの頬を摘まんで引っ張った。



『いたっ』と痛がるあたしに、蓮は『ごめんごめん』と屈んで頬にキスをした。



その行為に………こんなときでも相変わらず照れちゃうあたし。



蓮が帰ってきたら、いっぱい問いただしてやろうと思った。



とことん責めてやろうと思った。



でも、やっぱり蓮はあたしが好きになった蓮に変わりなくて……。




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