『そっ…か…』と、あたしの口から出た声は蓮に聞こえたのか分かんないくらい小さくて。
それは蓮が嫉妬するくらい好きな人が自分だって………浮かれてたからかもしれない。
「調子狂う」
「え?」
「澪といると調子狂う」
いきなり何言うかと思ったら、そんなこと?
「何でそれをあたしに言うのよ」
「澪が調子狂わすからだろ」
「あたしのせい?!」
「そうだろ。だから責任とれよ」
あたしが意図的に蓮の調子狂わしてるわけじゃないのに?
あたしのせいじゃなくない?!
しかも責任とる意味が分かんないんですけどっ。
だけど、そう思ってるあたしなんか蓮は完全に無視してた。
蓮が得意な意地悪な顔をして、あたしに近付いてくるのが分かった。
自然とあたしは目を閉じてて………すぐあとに2人の唇が重なった。
その日にあたしは蓮と初めてキスをして、
それはほのかに………レモンの味がした気がした。
.