ぞっこん☆BABY〜チャラ男のアイツ〜





タバコを取られるって分かったあたしは、タバコを持つ手を伸ばして取られないようにした。




「そんな簡単に渡さないしっ」




得意気にそう言ったけど、


ふと視線を上げると、目の前には蓮の顔があって。



それがあまりにも近くて――…ドキッとした瞬間に視線を逸らした。




「タバコ」


「や、やだ」


「返してほしいんだけど、澪ちゃん」




蓮に“澪ちゃん”って呼ばれると、どうも胸がキュンってなって、言うことを聞いてしまいそうになる。



つまり、“澪ちゃん”に弱い。




「返す気はねぇと」


「も、もちろん」


「ふーん」




すると、蓮はまた何かを企んでるような顔で笑った。




「じゃあ、もう知らねぇからな」




甘く低い声でそう言った蓮は近付いてきて………




「……!」




あたしの唇に、蓮の唇が………ゆっくりと、触れた。




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