「な……に言ってんの?そんなはずないじゃん。それだけでニヤケたりするような単純な女じゃないしねっ」
むしろ“好き”とか“可愛い”とか言われ慣れてない言葉なら、
言われただけでドキッとしちゃうような単純な女なんだけどね。
まぁそこは内緒ってことで。
あたしは蓮の質問から逃げるように、まだ食べ終わってなかったレモン味のかき氷に再び手をつけた。
横で蓮はタバコを吸い始めた。
「…っ」
すると、頭に痛みが走った。
って言っても、かき氷を急いで食べてたからだって原因は分かってるんだけどね。
「いった……っ」
「早く食べすぎ」
「ゔーっ」
ちょっとくらい心配してくれてもいいのに、蓮は原因を分かってたからかもしれないけど、注意するだけ。
ふてくされたあたしは、痛みが無くなるとかき氷を食べ始めた。
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