「掴まってろよ?」
「う、うん」
言われるがままに蓮の背中にぴったりとくっついて、腰に手を回した。
だって、蓮が『油断してると振り落とされる』とか言うから……。
そんなこと言われたら、くっつかないわけにはいかないし……。
自分のヘルメットをつけ終えると、蓮はエンジンをつけ、
「落ちんなよ」
その言葉を合図に、バイクは大きなエンジン音とともに走り出した。
小学校低学年の時だろうか、お父さんのバイクの後ろに乗ったこと覚えがあるけど、すっかり感覚は忘れていた。
だから正直、ビビっていた。
でも走り出してみると――…。
「もっと飛ばせー!飛ばせ飛ばせ飛ばせー!」
「…澪、」
「超きもちーっ!もっと飛ばせー!」
「澪!」
「なーにー?!何にも聞こえなーい!」
「お前はしゃぎすぎ!」
蓮に注意されるほど、はしゃいじゃうくらい超楽しい!!
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