「つーか、女の子1人にこんな重い荷物頼ませるなんてありえねぇよな」
「う、うん」
「腕痛くない?大丈夫?」
「腕?全然大丈夫」
遊び人は袋をあたしから取り上げると、奴らの声が聞こえる部屋に向かって歩き出した。
それよりさすが遊び人。
女の子には相当慣れてる口振りだし、初対面のあたしに対して異常な優しさ。
………危険人物決定。
でも奴らがいる部屋に向かってるってことは、やっぱり奴らの友達なんだ。
ってことは朔とも友達ってこと?
謎がたくさんのまま、あたしたちは部屋の前まで来てしまった。
部屋の前といっても庭だから、靴はぐちゃぐちゃに置かれてる。
遊び人は片方の手で、今となってはドア代わりの窓を開けた。
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