蓮の口から出るタバコの煙が空へ上がっていくのを眺めながら……思った。
好きだよ。蓮のことは好き。
それは今、迷うことなく言える。
でも、そういう愛の言葉を言うようなタイプじゃないから。
今まで言ったことがないし。
だから、こういう時ってどうすればいいのか分かんない。
「あたし以外の女の子とは……もう遊んだり、会ったりしないの?」
「するわけねぇだろ。なんだよ、逆に遊んでほしい?」
「っ、そんなこと言ってないじゃん!」
「冗談だよ。つーか、アドレスも澪以外の女全部消したし。連絡来ても『もう会えねぇ』しか言ってねぇ」
「そっ…か」
蓮のその言葉に、実はあった不安が溶けたのは言うまでもない。
「関係持った女ともキッパリ切ったし、ラブホ行こうって誘いあってもちゃんと断ってるし」
この言葉を聞いた瞬間はイライラしたけど、なんとか理性で頑張って抑えたのも――…言うまでもない。
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