「言ったっけ?あたしそんなこと……言ったっけ?」
でも、そんな攻撃に負けるようなあたしじゃない。
「じゃあ、俺のこと大っ嫌いってことだよな?まだチャラ男だと思ってるってことだろ?」
蓮も簡単には折れてくれない。
「そ、んなの……普通に考えたら分かるじゃん。大っ嫌いな相手と付き合うわけないじゃん」
「そんなの分からなくね?人の気持ちなんて確かめようがねぇし、本人しか分からねぇんだから」
「そ、うだけど……あたしは違うし。大っ嫌いな人なんかと付き合わないし」
「じゃあ、どんな相手となら付き合うんだよ」
………ほら……ね。
結局、蓮の方が1枚上手(うわて)なんだよね。
てか、どんだけあたしに“好き”って言われたいんだよ!っていうね。
どんだけあたしに惚れてるんだよ!っていうね。
蓮は余裕な匂いをプンプンさせながら、タバコに火をつけた。
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