あたしが聞いた限り、電話で3人の女の子の名前が出てきた。
それにどうやら“りえ”はこの男を遊びに誘ってたらしいが、
この男は“さやちゃん”と遊ぶから断った感じだった。
“りえ”と付き合ってるのかと思いきや、電話からして恋人の関係ではなさそうだった。
ということは、明らかに遊び人だ。
絶対この男はチャラい。
あたしは話したこともないのに、既にこの男に嫌悪感を抱いていた。
遊び人に対して良いイメージがないあたしは出来るだけ関わりたくなくて、すぐに家の中に入ろうとしたんだけど、
「え、お…んな?」
男は背中を向けるあたしに、驚いたような感じでそう口にした。
無視するわけにもいかず、あたしは渋々振り返った。
すると玄関の灯りで遊び人らしき男の顔がハッキリと見え―――……
思わずその顔に見とれてしまった。
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