解放されたあたしは、肩の力が抜けた気がした。
「澪さぁ、ナンパされすぎ」
そんなあたしに、蓮は呆れたようにそう言う。
「そんな事言われたって、あたしがいけないんじゃないんだからしょうがないじゃん」
たまたま暇潰しの相手が“あたし”ってだけで、誰でも良かったんだろうし。
今度蓮は、あたしの隣に腰を下ろしてため息をあからさまについた。
ちょ、何なのこいつ!
言いたいことあるなら、はっきり言えばいいのに!
隣に座る蓮を思わず疑視した。
そしたら、蓮もあたしの顔を見てきたから、自然と目が合って――…。
「な、何よ」
まだ呆れたようにジッと見てくるから、視線を逸らしたくても逸らせなくなった。
いい加減何か言ってよ!、と叫びたかったけど、それはバカみたいだから止めて、
頑張って上から目線で小さく抵抗してみた。
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