確かに女の子扱いしてくれる人は全然いなかったから、
そういう扱いをしてくれる蓮が新鮮だった、っていうのもあるのかもしれない。
けど、結局それが単純に、あたしは嬉しかった。
………なんだ、まんまと蓮の罠にハマっちゃってたんだ。
気づかないようにしてたのに。
もう手遅れみたい。
それくらい、あたしはもう―――……
蓮のことが、好きなのかもしれない。
「飲み物買ってくる」
あたしが………自分の気持ちに気づいたことを知るはずもない蓮は、そう言って飲み物を買いに行ってしまった。
1人残されたあたしは、頭の中が蓮のことでいっぱいになってた。
いろいろ考えてるうちに肌寒く感じて、朝着てたパーカーを羽織った。
これからどうしよう。
どうやって気持ちの整理しよう。
いや、気持ちの整理するもなにも、好きって気づいちゃったんだから、それ以外何でもない。
――…そうやって、自問自答を何度も繰り返して。
ソレは突然やって来た。
.