それから炎天下の中、やっと40分が経った―――……。
全身にサンサンと照る日差しを浴びて、徐々にみんなの口数も減っていく。
並ぶこと40分。
まだ前にはたくさん並んでいて、自分たちの順番ではないことをそれが表していた。
「やべぇ……超あちぃ……」
「地獄だ、地獄」
「もう立ってらんねぇ…」
いつも騒いでてうるさい男たちも暑いのに耐えられないのか、大人しくなった。
「気分悪くねぇ?大丈夫?」
「うん、大丈夫。あたし暑いのには強いから」
相変わらず啓介と晶乃はベタベタしてて、既にもう付き合いたてのカップルには見えないほど、2人とも絵になってた。
そんな2人を見て、羨ましく思ったのは嘘じゃない。
こうして心配してくれる相手がいるなんて、やっぱり女としては憧れる。
あたしだって一応、女だし?
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