でも、ある意味危ないのは啓介だと思う。
さっきから何も言わないけど、晶乃がパーカーを脱いだ瞬間、顔がちょっと赤くなった気がした。
見てたのは一瞬だけど、それをあたしは見逃さなかった。
「早く行こうぜ。時間もったいねぇし」
しかも、啓介は拓斗たちに晶乃の水着姿を見られたことにどうやらムカついてるようだった。
朔はそれに気付いたらしく、とんでもないことを口にした。
「啓介がキレてんだから、お前らもう晶乃の水着姿見んじゃねぇぞ」
……まさかの、出来事だった。
啓介はもちろん“はぁ?!”って顔で驚いてる様子だし、晶乃は“え?”って顔で状況を把握できてない。
それもそうだ。
この本人たちだけが、両想いだって知らないんだから。
空気を読んでか、バカな男どもはプールへと向かった。
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