「だって好きでもない子と付き合ったりしてたんでしょ？」
あたしの威圧的なその言葉に、啓介は明らかに嫌そうな顔をした。
でも啓介は開き直ったように『本当だよ、本当』と、ついに化けの皮を剥がしやがった。
「うわ、最低」
それを聞いて思わず心の声が出た。
「啓介最低、超最低」
「っ…」
「スーパーウルトラマックス最低」
「うっ…」
「女の敵！女を何だと思ってんのよバカ！」
「ば、バカ？つーか、今はしてねぇから」
「知らないしそんなの。知ったこっちゃないし」
啓介はあたしの暴言に珍しく何も言い返してこない。
「最低ヘタレ男」
「…っ」
「今度からそう呼ぶね」
「ちょ、お前マジで辞めろよ」
額にはうっすら汗が浮かんでるような気もした。
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