そんな朔とあたしは正真正銘の血の繋がった双子なわけで、


あたしたちの部屋は隣同士。




だけど朔はいつも奴らがいる部屋にいることが多いから、


こうして朔の部屋の前を通っても会うことはない―――……のに。




会いたくない今日に限って、朔は自分の部屋から出てきた。




朔はあたしと目が合うなり、眉間にシワを寄せて不機嫌そうな顔をした。




その理由も分かってる。




あたしが勝手に朔の部屋から朔の漫画を持ち出したからだ。




その漫画は決して少女漫画なんかじゃなく男子向けの不良漫画で、


あたしはついハマってしまい、勝手に持ち出した。




きっとそれが朔にバレてしまったに違いない。




「お前人の部屋から漫画持ってっただろ」




あたしに近づきなら朔がそう言ったから、心の中で“ヤバい”と内心焦った。




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