「先輩?」


「あ?」


「い、いえ、何でも……」



なんか気分悪い……


イライラするし、なんか胸がざわつく……



「っと……きゃぁぁ!!」


「えっ?」



小さな叫び声が聞こえて、ハッと横を見ると、今にも落ちてきそうなポールが目に入った



「っ!危なっ!!」



とにかく平田を俺の方に引き寄せた


間一髪……



ポールは平田に当たることなく、地面に落ちた



――ホッ


よかった……


何とかセーフだな……



「あ、あの、先輩……」


「ん?……あっ!悪ぃ!!」


つい引き寄せた反動で、抱きしめてしまっていた俺



「い、いえ//あたしこそすみません///」



うつむいて呟くような声



「悪かった……」



もう一度だけ謝り、作業に戻った


体育倉庫の掃除は一時間以上もかかり、終わるころには日が沈んでいた